天然珪藻土の切り出し七輪は、
石川県珠洲市(能登半島の先端)の3軒の工場で製造されているのみです。
また、一品づつ削り出す手作りのため大量に生産できず、
量産品と比べると大変高価で貴重な存在です。

でも幻ではありません?

この天然岩切り出し七輪、一部では「幻の七輪」などとの表現があるようですが、
大手雑貨店やデパートで販売されることもありますので、
これはちょっと過剰な表現だと思います。
大阪では道具屋筋でも販売されています。
また、天然岩切り出し七輪の生産者は「日本に一人しかいない」
との報道もあったようですが、これは誤報です。
他の十数名の方に誠に失敬な報道です。

七輪といえば切り出しだった・・・

昭和20年代、戦後の混乱期〜高度成長期にガスコンロが普及するまでの間は、
都市部での庶民生活に七輪はかかせない存在でした。
かまどや囲炉裏のない都市部では、
ご飯を炊くのも煮物も焼き物も七輪だったのです。
そして、七輪の代表格が切り出し七輪でした。
この時代から製造方法を変えずに作りつづけているうちに、
金型で大量生産できる七輪や金属製BBQコンロの普及、便利なガスや電気製品におされて、
いつのまにか「ごく少数派」になってしまったのです。
ですから、そもそも幻などというような存在ではないのです。

 


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