七輪のひび割れについて

七輪は正常な使用状態であってもひび割れが生じます。
ひび割れは急激な加熱〜冷却によりおこりやすいと考えられ、
多くの場合、使用初期からおこり、長期間の使用においてはまず間違いなくおこります。
しかし、金属ベルトで補強された切り出し七輪は、
ひび割れてからの寿命がとても長いのです。

危険なひび割れ状態とは?
ひび割れの状態によっては、七輪にガタツキが生じて、分解してしまう恐れがあります。
ガタツキがあるほどのひび割れが生じた場合は、七輪の使用を控えてください。
多くの場合、加熱伸縮によるひび割れと、いく度もの軽い衝撃により
ガタツキがおこります。

いつひび割れる?
加熱伸縮(下記)によるひび割れは、その程度も様々ですが、
だいたい1〜5回くらいの使用で起こります。
1回目の使用で起こることも少なくありません。
冷却後に発見することが多いと思います。
ただ、木炭の使用量や燃焼温度など使用条件により、その時期には大きな差があります。


■ひび割れの原因

1)加熱伸縮 によるひび割れ
切り出し七輪の材料である天然珪藻土は、加熱〜冷却により伸縮します。
加熱時に膨張し、冷却で縮み、その時にひび割れがおこります。

内側のひび

外側のひび割れ


加熱伸縮と長期使用による
度重なる小さな衝撃で
だんだんとひび割れが
大きくなってきます。

七輪の内側から外側へと広範囲にひび割れが起こります。

700回以上使用した七輪(お外で七輪:無塗装品)

700回以上使用したお外で七輪

外側のひび

底のひび

この七輪は1回目の使用でひび割れがおこり、
その後長期間の使用で大きなひび割れとなっています。
しかし、ベルトで補強されているので、問題なく使えます。

2)変質 によるひび割れ
木炭を送風して、1200度ほどの異常な高温にしますと、珪藻土の表面に
溶けた木炭灰(ガラス質)が付着し、そのガラス質の伸縮や珪藻土の組織破壊により、
表面にひび割れが生じます。
故意に加熱しない限り、一般的な使用においては、このような状態にはなりません。

大きく口を開いたひび割れ
大きく口を開いたひび割れが
無数にできます。

ガラス質が付着したふた
ガラス質が付着した七輪のフタ

 

3)衝撃 によるひび割れ
運搬時の七輪の落下などによるひび割れで、これは正常なものではありません。
※お届け時に少しでもひび割れがありましたら、それは衝撃によるものですので、
 使用せずすぐにご連絡ください。
強い衝撃で一度でおこるひび割れと、車の振動でおこるものがあります。
意外に多いのは繰り返される車の振動によるもで、七輪がガタガタと振動していたり、
周囲の物品が七輪にガタガタと衝突していると高い確率でひび割れがおこります。

運搬時に車中で落下して割れた七輪

落下で割れたお外で七輪

落下で割れた焼鳥秋刀魚七輪

強い衝撃で割れた七輪は、枝分かれした稲妻のような複数のひび割れや、
不自然に円弧を描いたような特有のひび割れがおこります。

車運搬は特にご注意を!
七輪に車の微振動が加わりますと、大きなひび割れとなることがあります。
車による振動は数千、数万回と繰り返されるので、一度ひび割れが始まると
どんどん大きくなってしまうのです。
特に既に加熱伸縮によるひび割れのある七輪は要注意です。

車での運搬時は七輪を入れるケースと七輪の間に新聞紙などを詰めて、
七輪がガタガタと振動しないように固定してください。

■ひび割れの補修
七輪は高温にさらされるので、接着は困難です。
補修して使いたい場合は金物で補強してください。

(補修方法)
○七輪の外周に針金を巻いて補強します。
 できればステンレス製の針金が熱でも伸びにくくよいです。
○真鍮や銅の薄い板を、例えば2×5cm程度に切り、ひび割れを縫い合わせるように、
 長さ15mm程度の細い釘で打って止めます。


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