「これ食べた〜い」は、なによりも炭火好きで食いしん坊の私が、
どうせなら写真でも撮って皆さんに紹介しよう、
皆さんから情報を集めよう、ということでスタートしました。

これから七輪料理を始めようという初心者の方々でもわかりやすい
七輪料理講座としてやっていこうと思います。
といっても私自身勉強しながらのご紹介ですから大したことはない・・・です。
気分次第のスローペースですが、
延々に続ける特集として炭火料理をご紹介していきます。
ちょっとだけ「通」になってください。

そして七輪料理を楽しんでいる皆様、是非メールください。
どんな情報でも大歓迎です。

 

vol.6   自分でつくる干物 
             ヒモノ

 

あじの干物

 

新鮮なお魚を手に入れて、自分で干物を作りましょう!
リーズナブルでめっちゃ美味しい、けっこう簡単。
たくさん作って近所に配ればウケルことまちがいなし!?
朝から作れば昼過ぎには完成。
すぐに食べられます。

 <今回の仕入れ先>

 とれたてアジサバ直送便 紀州土佐丸


干物といえば、アジ、サバ、カレイ、サンマにカマス、キンメといろいろあります。
・・・がやっぱり脂ののった新鮮なお魚が一番、その時期にあったお魚をえらびましょう。
今回は、そのなかでももっともリーズナブル、庶民的!でもおいしいアジでやってみました。




干物の基礎知識

今の干物は昔の干物とは違い、水分と脂をたっぷり含んだ新鮮なお魚を
干したらすぐに、さっと焼いて食べる。
保存食ではなく、お魚のより美味しい食べ方として干物をいただきます。
ですから、お魚も刺身で食べれるくらい新鮮なものを使うのが美味しさの秘訣。

なぜ美味しい--干物にすると美味しくなる?

干物にすると蛋白質の分解酵素が働き、うまみ成分のアミノ酸が大幅に増えます。
これが干物が美味しい最大の理由。
また、それと同時に水分が減ることでうまみ成分が濃縮されることや
表面が乾燥して歯ごたえを感じることも美味しさを作る要因となっているようです。

美味しい干物の選び方(干物を買う場合)

■脂がのっていること
  魚の身側、腹の部分に白身がかった脂がみえれば、脂ののりがよいです。

■脂の質がよいこと
  脂の色が黄色っぽいと脂の質がよくありません。魚が古い可能性が大です。
  白っぽい脂のものを選んでください。

■肉付きがよいこと
  同種の魚でも肉厚があり、開いた状態での体形が丸っぽいものを選びましょう。
  ★腹のあたりの骨が身からはずれているものは、魚が古いようです。

 美味しい干物を買うなら 干物生産量日本一の沼津から

沼津ふなと

脂がのって美味しい時期(情報提供:土佐丸水産株式会社)

 ・真アジ(平アジ、赤アジ、黒アジ) 6〜8月

 ・丸アジ(青アジ) 11月〜3月

 ・真サバ(平サバ) 秋から春先(特に9月〜11月)
  ※ゴマサバは干物には向きません。
   また、細菌を持っているケースが高いので刺身にせず、煮付け、塩焼きにします。

 ・カマス  秋

 ・サンマ  秋(北海道) 西日本は冬場のほうがおいしい

 ・真鯛  年中(特に春先)

 ・イサキ  5月〜6月

 ・キンメ  冬

 ・キンキ  冬

 ・カサゴ  冬〜春先

 ・アマダイ 秋〜冬

 ・エボダイ 5月〜6月

 

 ・マイカ・ホタルイカ  春

 ・アオリイカ  夏

 ・ヤリイカ・スルメイカ  秋

 ・メイタカレイ  春

 ・イシガレイ  夏

 ・マコガレイ  冬

 ・ササガレイ(ヤナギムシガレイ)  冬

干物は天日干しが一番です。
天気予報を見て、天気の良い日に魚を仕入れましょう。

なるべく真夏の暑い時は避けて作りましょう。
空気が冷たく、乾燥した日が理想です。


準備品


     1. 新鮮で脂ののったお魚

     2. 塩

     3. 魚をつけるトレー

     4. カップ(6杯、または12杯で魚が全部浸かる分量になるもの)

     5. 包丁(はさみ)、まな板

     6. お魚を干すためのざる(すだれ、干しかご)

 

まずは塩水の用意。


塩は魚の上からパラパラとふってもいいのですが、
ここでは確実に美味しくできあがる塩水につける方法をご紹介します。

塩と水の加減は塩1に対して水6が基本。ごく一般的?な塩加減です。
一度これでやってみて、あとは好みで調整してください。
塩1:水4〜8の間くらいで調整。


水カップに6杯


全部の魚が浸かるよう大きなトレーを用意して、
魚が浸かるだけの
水をカップに6杯入れます。
カップの大きさや6の倍数で入れるなりして
水の量を調整してください。

☆魚が送られてきた時の箱が便利!


塩を1カップ


同じカップを使い、塩をカップに1杯入れます。
(当然水が12杯なら塩も2杯です。)
かるく混ぜて、魚をさばく間に完全に溶かします。
※夏季は氷を入れて水を冷やしてください。

 

魚を開く。


今回は冬が美味しい丸アジを使用。お腹はハサミを使って開くこともできます。


エラを起こして包丁を


エラを起して、包丁を入れ、腹を切ります。


エラ、ワタを取る


エラとハラワタをとります。
手で引っ張ってとります。


水洗い


水洗いします。
開いてから洗ってもかまいませんが、
馴れない人はここで洗った方が、開きやすいです。


開く


中骨の上に包丁を入れて開きます。
まず、包丁をたてて骨を切っていきます。
なれるまでは少しづつ少しづつ、切っていきましょう。
中骨に包丁があたるように尻尾まで開きます。


頭を開く


頭を半分に割れば開きの完成です。
頭は固いので、両手で包丁を押えて割ります。


開きの完成


開きの完成。

☆開いた状態で、内臓や血が残っていたら、
 再度、きれいに洗ってください。

 

塩水に魚を浸ける。


浸ける時間は合計20分。水温は15度前後のやや冷たい水が理想です。


皮を上にして浸ける。


まず、塩が完全に溶けているか確認して、
皮を上にして、
10分間浸けます。


皮を下にして浸ける。


今度は、皮を下にして、10分間浸けます。


さっと水洗い


さっと真水に浸ける程度で水洗いします。
これをしないと表面に塩の粉が浮いてきます。

 

天日で干す。


干す時間は合計2時間程度
ザルやスダレを太陽に向けて斜めにして、
身を上にして90分間、干します
ハエが気になる季節なら、カゴを使いましょう。


すだれに干す。


この状態はカラスに注意!!


かごで干す。


ハエやカラスの攻撃から防御できるカゴ。
このカゴは釣具屋さんやアウトドアショップで
売っています。


皮を干す。


今度は、皮を上にして30分間、干します。


干物完成!


表面に水分がのこっていないか確認して干物完成!
すぐに食べない時は冷蔵庫で保管。
2〜3日で食べない時は冷凍しましょう。


炭火焼き


炭火はやはり強火の遠火が理想的、完全に着火して炭が灰をかぶってから焼きましょう。
焼きすぎは禁物!特に新鮮な魚を焼きすぎるともったいない!ですよ。

さてさて、どちら側から焼きましょう?
海の魚は身から、川の魚は皮からと言いますが・・・。
いろいろと調べましたがイマイチ根拠は不明。
保存食としての干物ではない、新鮮な干物は皮から焼くほうがよさそうです。
皮から焼くと水分が蒸発しやすく旨みが濃厚になります。
身から焼くと皮ではばまれて水分が逃げにくくなります。

■焼きのポイント

1. 灰のかぶった落ち着いた炭火で、できるだけ遠火の強火が理想的。
2. 網と皮がくっつかないよう、網を十分加熱しておきましょう。
3. 水分の多い新鮮な干物は皮側からやきましょう。
4. 皮側3分、身2分程度(魚の肉厚により異なります)、焼きすぎは禁物です。
5. 返しは1度のみ。何回も返さないこと。
 

アジの干物の焼き時間は両面で5分程度です。


灰をかぶった炭火


炭は灰をかぶり、落ち着いた状態。

網に皮がくっつかないように、網を加熱しておきます。
魚を置くとジュ〜というくらいに加熱させます。


皮から焼く。


皮を下にして、3分ほど焼きます
魚の肉厚や火加減によって若干の時間調整が必要です。
魚の移動厳禁!
一度網にのせた魚は移動させると身が崩れ、
網にくっつきます。

★脂が落ちて炎が上がったら、
 ウチワであおいで消しましょう。
 炎で焼くと表面がコゲてしまいます。


身を焼く。


返します。返しは1度だけ。
返してから、2分ほど焼きます

焼きすぎは禁物。
新鮮な魚を焼きすぎると旨みが逃げ出してしまいます。


食べる!


完成

美味しい食べ方
焼いてすぐに食べましょう。
できれば焼きながら食べてください。
皮もパリパリ、絶品です。

これに美味しいご飯があれば最高ですね!

 


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